誰も得しない日本史

誰も得しません

ソルジャー・オブ・フリーダム 自由民権運動 ーワンピースでたどる日本史ー

グランドラインを目指すルフィ一行は、海賊王G・ロジャーが生まれ、そして処刑された町『ローグタウン』に立ち寄ります。
ルフィがロジャーの処刑台を見物に行ったところに、バギー一味がやってくる。
なんとバギー一味に捕まったルフィ。バギーによってハデ死刑に処されることになる。
ルフィの首を飛ばすためにバギーは刀を振り下ろす。
ゾロとサンジの救援も間に合わず、死を覚悟するルフィ。
ところが、バギーが刀を振り下ろすまさにその時、天空から雷が刀に落ちる。
まっ黒焦げになるバギー。
命を拾ったルフィはローグタウンからの逃亡を図る。
そうはさせまいと、立ちはだかるのは、モクモクの実の能力者、海軍大佐のスモーカー。
スモーカーはさすがに強く、一瞬で捕らえられるルフィ。
しかし、そこに現れたナゾの男が1人。名前はドラゴン。
 
 
These things cannot be stopped.
これらは止めることのできないものだ
 
An inherited strength of will.
”受け継がれる意志”
 
One's dreams.
”人の夢”
 
The ebb and flow of the ages.
”時代のうねり”
 
As long as people hunger for freedom...
――――人が『自由』の答えを求める限り
 
...these things will exist.(GOLD ROGER KING OF THE PIRATES)
それらは決して――止まらない(海賊王G・ロジャー)
 
 
 
 
明治時代の一大ムーブメントとして、自由民権運動というものがありました。
これは、一部の官僚が支配する政治に対して、国会の開設や、憲法の制定を求めた運動です。
この自由民権運動を支えたのは、天賦人権の思想でした。ゴゴゴゴ……
 
R電「あれは、、、天賦人拳!ま、まさかあの伝説の暗黒拳をこの目で見ようとは。。。」
T樫「な、なにぃー!知っておるのかR電!!」
R電「天賦人拳。かつて中国は秦の始皇帝の時代。始皇帝をお守りする直属部隊の隊長に、王大人(わん・たーれん)天賦人(てん・ぷーれん)という、2人の拳法の達人がいたという。1人で千人の戦士に値すると言われた2人であったが、天賦人はその心の暗黒面と残虐な拳法のゆえに、始皇帝から追われることとなった。このとき、王大人が長年の友情から天賦人追討に参加することを拒んだため、始皇帝は1万人からなる部隊を3個差し向けて、やっとのことで瀕死の重傷を追わせた天賦人を、ようやく千尋の谷へと突き落とすことができたという。しかし、ウワサによると天賦人は生きていて、その暗黒の拳法は、天賦人拳として山奥の少数民族の間に受け継がれて、今も無実の人々の命を奪っているという。王大人が天賦人の死亡を確認していれば、このようなことにはならずにすんだのだが。。。」

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参考文献:民明書房刊『禁愚蛇武』
 
……一応、天賦人権論とは「基本的人権は天賦(生まれつき)のものであり、権力によって制限・束縛されるべきではないという政治的主張」(角川日本史辞典)です。
 
 
この自由民権運動は、昔から、現在の民主主義の先がけとされ、高く評価されてきました。
 
自由民権運動のきっかけは、1874年の民撰議院設立建白書です。
この建白書は、1873年の征韓論政変で政府から追い出された、板垣退助たちによって提出されました。
当時は合法的な意見表明手段として、建白制度というものがあり、それを活用したものでした。
しかも、この内容は『日新真事誌』に掲載されて広まりました。
こうして民撰議院設立建白書は政府に一蹴されたものの、自由民権運動が盛り上がるきっかけとなったのです。
 
この後、自由民権運動は士族が運動の中心であった士族民権の時代から、豪農民権の時代を経て、農民民権の時代へと向かいます。
そうした運動家のなかでも、職業的にそして血気盛んに運動にたずさわった者を「壮士」(そうし)と呼びました。自由の戦士です。
 
この壮士というソルジャー・オブ・フリーダムは、とにかく自由民権を広げたいということで、ヒップでホップなことを思いつきます。
 
「そうだ! 自由民権のソウルをRapで歌えば、みんなに民権が広がるYO!」
 
天賦人権ラッパーの登場です。
かなり謎な理論な気がしなくもないですが、ソルジャー・オブ・フリーダムにとっては、これで民権が広がること必定だったのでしょう。
 
天賦人権ラッパーの代表が、福岡出身の川上音二郎です。
明治時代後半には町のみんなは洋服を着ているというのに、川上音二郎は陣羽織に鉢巻で、日の丸の扇を振り回すというアブナイ出で立ちで、オッペケペー節というJapanese Firstest Rapを歌いあげました。
 
みなさんも、ぜひオッペケしながら、自由の心を奮い立たせて、人生のグランドラインへと飛び込んでいってください。
 
 
 

【参考文献等】

週刊 新発見!日本の歴史 2014年 3/30号 [分冊百科]

One Piece, Vol. 12: The Legend Begins (One Piece Graphic Novel) (English Edition)

ONE PIECE カラー版 12 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 民明書房刊『禁愚蛇武』

 

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