誰も得しない日本史

誰も得しません

肩こりって知ってます? ―ワンピースでたどる日本史―

 
肩こりって何?
マッサージにお金使うとか意味わからん。
1日20時間ゲームとか余裕っしょ。
 
そう思っていたころが、ぼくにもありました。
ヤングのぶたは、何も分かっていなかったのです。
 
 
 
今日は、英文を先に見てみましょう。
前提として、ゴム人間は"rubber man"です。
 
 
《日本語訳してみよう》
 
Mohji: "Cap'n...sir...beware...the rub..."
          "...rub...rub...!!"
          "...man..."
 
Buggy: "Hmm...that boy must have used some diabolical rubbing technique on him...!"
           "Darn you, Mohji!  Beaten by a masseur?!  If this gets out, our reputation's scuttled!" 
 
・diabolical…きたねえ・ふざけた
・rubbing…マッサージ・按摩
・masseur…セラピスト(マッサージ師)。ちなみに「マッサージ師」は、「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格「セラピスト」ってのは、名乗るのに特に資格は必要ありません
・darn…メチャ・クソ(スラング。もともとは「繕う」意。似たようなスラングで、"damn"は有名)
・reputation…評判・名声
・scuttle…急いでいく・あわてて走る
 
 
鳥にくわえられたあげくに、カゴに閉じ込められたルフィ。成り行きでルフィの味方につく、仲間になる前のナミ。そこにゾロが登場して、3人はバギー一味からとりあえず逃げることに成功する。
これまでハデに名を上げてきたバギーが、「ナメやがって」とハデにキレる! バギーがハデに呼び寄せたのは、副船長。「猛獣使いのモージ」。モージはライオンに乗った男前(伏線)。ライオンの名はリッチー! このライオンが後にリッチーバイクになるというネタバレは、今しておこう。
ルフィとの戦いの流れでシュシュ(犬)の家を燃やしたモージを、ルフィがぶっ飛ばす! フラフラになったモージはバギーのもとに戻って、敗北したことをバギーに報告する。そして、ルフィが悪魔の実の能力者であることを、バギーに伝えようと最後の力を振り絞るが、、、伝えきれずに倒れてしまう、というシーンでした。
 
 
《(英語版の)日本語直訳》
 
モージ:「キャプテン。。。お気をつけて。。。ゴ(rub)。。。」
    「。。。ゴ。。。ゴ。。。」
    「。。。人間。。。」
バギー:「ぬう。あの野郎、何かふざけたマーッサージ(rubbing)テクニックを使ったに違えねえ!」
    「クッソ、モージ! セラビスト(ごときに)やられただと?! これが広まってみろ!おれたちの名を失うぞ!」
 
 
英語版、そうきたか。って感じです。ダジャレとかの翻訳ってホントたいへんそうです。翻訳者のセンスが問われるところですよね。
日本語の原作では、モージは「ゴム人間」とバギーに伝えようとして、「ゴ・・・・・・げん・・・」って言って、倒れました。それに対して、バギーは「あの野郎 『げん』だと!!!?」とハデにキレたんでしたよね。ナメやがって的に。
この「ごむにんげん」と「ごきげん」の掛け違いを、英語に訳すときに"rubber man"と"rubbing"の掛け違いにしたところが、翻訳者の腕の見せどころなんですね。
 
 
 
さて、ムリヤリ日本史の話を始めましょう。ムリヤリ。
日本のセラピストマッサージ師の歴史について、確実に遡れるのは、おそらく奈良時代757年に施行された「養老律令という法律です。あと、30分くらいあれば701年の「大宝律令」までは調べることができますが、メンドクサイのでやりません
 
養老令・第24巻・医疾令(いしつりょう)の第二条には、こうあります。
凡そ医生、按摩生、呪禁生、薬園生は、まづ薬部及び世習を取れ。次に庶人の年十三以上、十六以下にして、聡令ならむ者を取りてせよ。
 
医者見習い・マッサージ師見習い・まじない師見習いなんかは、品部の末裔から選抜しようって話です。十代で勉強するところは、今と似てますね。医者もまじない師も同列に扱われているところが、昔!って感じですね。
 
 
原作日本語版における、最初のバギーのセリフと同一の箇所のセリフは、次のとおりです。
ダジャレとかがからむと、直訳ってわけにはいかないことが、よく分かります。
 
「成程な…それでのびのび戦いやがったとでも言うのか…!?」
「あの野郎 『ごきげん』だと!!!?おれはもうキレた!!!」
 
 
 どう訳するんだろう?といえば、
私は、「さるあがり」が出てくるまで、英語版ワンピースを早く読み進めたくてたまりません。
まだまだ、時間がかかりそうです。
 
【おまけ ワンピースダジャレ集】
3巻
・宝箱にスポッとはまって20年のガイモンと、ルフィの会話。
ルフィ「おれも宝箱に詰まった人間初めてみたよ。箱入り息子なのか?」
ガイモン「ああ…小さな頃から大切に育てられて…あほか お前!‼」
 ↓
Luffy: 'And this is the first time I've ever seen a guy stuck in a treasure chest! Are you a "boxer"?'
Gaimon: 'Well, when I was younger...Hey! That's a stupid joke!'
(boxとboxerというダジャレ)
 
・クラハドール
カヤに仕える「執事」(クラハドール)のことを、ウソップ海賊団のピーマンとにんじんとたまねぎは、「」と呼びます。「しつじ」と「ひつじ」をかけたダジャレですね。
英語では、執事は"butler"です。そして、英語版では、ウソップ海賊団の3人はクラハドールのことを"butt-guy"( 嫌な奴)と呼んでいます。buttというのは、「イヤなやつ」という意味のスラングです。一応、buttはもともと、お尻とか石突とか、端が膨らんでいる様相を意味します。
 
ダジャレ集は、ダジャレを見つけ次第更新していきます。「ここのダジャレはなんて約しているの?」ってシーンがあったら、教えていただけると嬉しいです。
 
Youtubeのぶたの「誰も得しない日本史」 けっこう得する支店」で、
「1分日本史」とかもやってます。
ツイッターでは本垢のほか、受験生向けの日本史単語BOTもつくりました。
「15秒日本史」もあります。
One Piece, Vol. 2: Buggy the Clown (One Piece Graphic Novel) (English Edition)

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