嗚呼、斑鳩が行く・・・・・・　　ーレトロゲーマーが思い出す日本史ー

Alas, Ikaruga is going...

学校で日本史を習っていたころ、なんとなくインパクトがあって長い間覚えていた単語とかありませんか。

そんな日本史インパクト語ナンバーワンは、昭和のころから令和にいたるまで「斑鳩（いかるが）」ですね。「斑鳩（いかるが）」なんです。私が決めました。今決めました。

「班長（ハンチョー）」の「班」っぽい、「斑（まだら）」という字に「鳩」で、「い・か・る・が」ですよ。なんだかよく分からないけど、かっこいいじゃないですか。

もしも「鳩山」だったら「るがやま」ですよ！「ルー□ーるがやま」なんですよ。「鳩流」と書いて、「ルガール」と読むのも夢じゃないんです。

日本史の斑鳩って何だったっけ？っていうご老人は、法隆寺の別名が斑鳩寺だと言えば、なんとなく思い出せた気がするはずです。

さて、そんな「斑鳩」という名の戦闘機が敵と戦うシューティングゲームが、2001年（令和前18年）にトレジャーという会社から発売されました。

そのゲームの名は、『斑鳩IKARUGA』（以下、斑鳩）です。

斑鳩はとにかくかっこいいゲームで、ゲーム中にときどき挟まれるカットインとセリフ（？ナレーション？）は、そのときどきのシーンの音楽や雰囲気とあいまって、シニア（当時若者）ゲーマーのハートをグワシとつかんだものです。

一面道中のカットインの、「嗚呼（ああ）、斑鳩が行く・・・・・・」は、シニアなら皆覚えているはずです。

秋のシューティング祭　第７戦　斑鳩(IKARUGA)（NORMAL）

みなさんは、次に紹介する、一面（チャプタータイトルは「理想-Ideal-」）冒頭のセリフで、日本史なら誰をイメージしますか？

《英訳してみよう》

我、生きずして死すこと無し。理想の器、満つらざるとも屈せず。これ、後悔とともに死すこと無し。

《英文》

I will not die until achieve something.

Even though the ideal is high, I never give in.

Therefore, I never die with regrets.

私的には、日本史で屈しない系の面々といえば、日蓮宗の開祖である日蓮や、室町～戦国時代の日親あたりが思い浮かびます。

いつか、特集したいのですが、たとえば日蓮は、「四大法難」と後に呼ばれる事件に耐え抜きました。

四大法難とは、以下の4つです。

①島流しにあって船にのせられたとき、船頭により、満潮のときには沈む海上の岩に置き去り

②数百人の武士たちが襲撃

③鎌倉幕府により死刑

④佐渡ヶ島に島流し

よく、生き延びたものです。

日親は、拷問を受けても屈せず、ついに灼熱の鍋を頭に被せられたけど、それでも説法を止めなかったという伝説の持ち主です。この伝説により、日親は「鍋かぶり上人」と呼ばれています。

また、満ちることのない理想を前にしても進み続ける系といえば、日本天台宗開祖の最澄や、その弟子で唐に渡ったこともある円仁あたりが思い浮かびます。

二人とも、自分の代だけでは仏教の真髄にはたどり着けないことをメチャクチャ自覚していたようで、最澄は「何度生まれ変わっても仏教の勉強したい」的なことを言ってますし、次世代のために勉強の成果などを残そうと力を尽くします。

円仁は、『入唐求法巡礼行記』を著します。これは、ただに唐に渡ったときの日記というにとどまらず、役所への書類の出し方とか、役人との交渉などをこと細かに残したものです。この史料があるによって、当時の唐の様子がよく分かるんです。あまりにも細かいんで、この記録は唐に渡ったときのマニュアルとして、円仁の次世代の人のために残したのではという評価をする人もいます。

こうして、最澄や円仁が次世代への知識や成果の引継ぎを強く意識して生き抜いたため、後に天台宗を出発点にして、いわゆる鎌倉新仏教が花開くことになります。

いかがでしたしょうか。みなさんが思い浮かべた人物も教えてもらえると、うれしいです。歴史上の人物の評価は人それぞれだと思いますので。

今回の英文は、ニンテンドースイッチ版の『斑鳩IKARUGA』を参照しました。

斑鳩のセリフは、今後も少しずつ紹介していきたいと思います。

斑鳩シリーズの次回予告です。一面道中のナレーションは、

「嗚呼、斑鳩が行く・・・・・・

望まれることなく、浮き世から

捨てられし彼等を動かすもの。

それは、生きる意志を持つ者の

意地に他ならない。」

です。宿題として英語訳しておいてください。

個人的には、四面のナレーションの英訳が意外すぎて、びっくりしています。日本語版を読んだときの私の解釈と、あまりにもかけ離れすぎていました。いずれ紹介しますので、楽しみにしていてください。